生薬(カノコソウ)の畑で、二流体根菜洗浄機が活用されています
2025年9月18日
2025年9月9日、「二流体根菜洗浄機」を納品した長野県安曇野市の生産者さまの圃場に伺いました。
今回伺った安曇野の生産者さまは、カノコソウ、シャクヤク、トウキなどの生薬の栽培を2021年から手がけておられます。4年目を迎え、栽培のノウハウは蓄積してきたものの、収穫後の洗浄作業にとても手間がかかっており、生産拡大の足かせになっている……とのお悩みがありました。そこで、作業効率化のために「二流体根菜洗浄機」を導入していただくことになりました。
このたび、今シーズンのカノコソウ収穫が始まり、納品した洗浄機を初めて稼働するということで、現地に伺わせていただくことになりました。
今回収穫するカノコソウは、昨年10月に植えた一年物です。
上の写真で左に写っている黒い塊が、畑から掘り起こしたばかりのカノコソウ。細かい根が複雑に絡み合っており、内部に大量の異物が含まれている状態です。土はもちろん、小石や、ときにはマルチの破片などのゴミも絡みついており、とても洗いにくいのだそう。
以前は高圧洗浄機を使って手洗いしていたそうですが、汚れがなかなか落ちないうえに、高圧水の勢いが強すぎてカノコソウの表面が白く削れてしまったりしたそうです。作業性・歩留まり・仕上がりなど、様々な面で改善の余地がありました。
今シーズンからは、「二流体根菜洗浄機」がこの複雑な形状の洗浄工程を担っていきます。
まず、大きな株のままでは内部の汚れを落としにくいため、小さな株に分けていきます。上の写真の右側に写っているのが、小分けにしたカノコソウです。
続いて、小分けにしたカノコソウをざっと水につけて予洗いします。これだけでも表面の土はかなり落ちます。
二流体根菜洗浄機は、掛け流し式ではなく溜め水で繰り返し洗浄ができる省エネルギー設計であるため、予洗いをすることでさらに水の交換頻度を少なく抑えることができます。
そしていよいよ、二流体根菜洗浄機へ投入。
運転スイッチを入れたあとは機械任せで洗浄が進むため、作業員が付きっきりになる必要はありませんが、今回は初めての本格洗浄のため皆で固唾を飲んで見守ります。
洗浄運転を行うこと、約3分。
洗浄機に手を入れてカノコソウを掬い上げてみると、かなりキレイになっています。
入り組んだ根本の汚れまでしっかり落ちていることが確認でき、生産者さまから「満足の仕上がり」との評価をいただきました。
洗浄後の取り出しがラクにできるようにと、底面のパンチングスノコを洗浄物と一緒に持ち上げられるような設計にしました。商品開発担当・佐藤のアイデアです。
細かな土や汚れはろ過構造のフィルターで除去され、見事にカノコソウ本体だけを回収することができました。
なお、今回導入した洗浄機は、標準品よりも小型のサイズです。生薬の畑は点在しており、収穫する畑に洗浄機を持ち込んで洗浄工程まで行いたいとのご要望で、移動がしやすい小型サイズのご提案となりました。
これから機動力高く、あちこちの畑で活躍してくれそうです。
また同日午後に、薬用作物産地支援協議会主催で開催された「薬用作物の産地化に向けた地域説明会」にも参加させていただきました。
日本国内の漢方製剤・生薬の需要が年々拡大するなか、国内産原料の生産拡大を目指す取り組みの一環です。地域説明会は毎年さまざまな都道府県で行われているそうですが、今年は長野県が会場となり、40名以上の参加者が集まりました。
生産者さまの発表のなかでも、生薬の洗浄課題の困難さと「二流体根菜洗浄機」の導入についてご紹介いただきました。
説明会の後半では、カノコソウの圃場に会場を移して、実際の栽培地を見学しました。
圃場では洗浄機についても見学いただき、参加者の皆さまは動画やメモをとりながらとても熱心にご覧になっていました。多くのご質問もいただき、皆さまの関心の高さが伺えました。
参加者のなかには、昨年に二流体根菜洗浄機の特集が組まれた、信越放送の「ずくだせテレビ」や「SBCニュースワイド」を覚えていてくださった方も!当時、テレビ出演した商品開発担当・佐藤にお声がけくださる方もおり、うれしい驚きでした。
テレビ放映された動画は下記よりご覧いただけます。
今後も洗浄でお悩みの方の課題解決ができるよう、尽力してまいりたいと思います。このたびはありがとうございました。
